文・中嶋 恵美子

『ピアノの歴史~楽器の変遷と音楽家のはなし~』
大宮眞琴著 音楽之友社


旧ピアノの歴史

音大を出て間もない頃、「ピアノの歴史を知らない!」ということに気づき、手に取ったのがこの本。最近は古楽が盛り上がり、ピアノ教育界でも「ピアノの歴史を知るべき」という風潮が高まってきたので、写真付きの本までが出回るようになっていますが、当時はそういった情報があまりなく、嬉々としてこの本を読みました。

1994年に発売された本ですが、2009年に新装丁で復刻しました。カラー写真が豊富な本に比べ内容が豊富。そのうえ読みやすいこの本は、現在でも貴重なのではないでしょうか。

1  鍵盤のはなし
2  家庭用の小型楽器クラヴィコード
3  撥弦楽器ハープシコード
4  ピアノフォルテの登場
5  イギリスとフランスのピアノ
6  ウィーン式アクションのピアノ
7  ハイドンとピアノ
8  モーツァルトとピアノ
9  ベートーヴェンとピアノ
10 ウィーンのピアノとピアニスト
11 フランスのピアノの改良
12 ショパンとリスト
13 アメリカのピアノの発展と影響
14 近代ピアニストの系譜
15 日本のピアノ

この本を1冊読めば十分というほどの内容ですが、さらに写真付きの薄型本があれば楽しさ倍増。あとは実際に演奏会へ足を運び、さまざまな時代の音色に包まれる心地よさを味わうだけ!

ちなみに、新版の装丁はこんな感じです。

新ピアノの歴史

Amazonでは取り扱いをやめているようでしたが、お近くの書店で取り寄せるか、 音楽之友社サイトでの購入が可能です。
http://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?code=371020

ピアノの歴史


中嶋 恵美子(なかじま えみこ)
ピアノ指導者。著書に『あきらめないで!ピアノ・レッスン』(ヤマハミュージックメディア、2011)、『発達障碍でもピアノが弾けますか?』(同2016)、『知っておきたい幼児の特性』(音楽之友社、2016)がある。
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