文・愛野 由美子

『西洋音楽史-「クラシック」の黄昏』
岡田暁生著 中央新書 2005年出版


西洋音楽史表紙

 クラシック音楽に興味を持ち始めると、遅かれ早かれ、その全体の見取り図を、大まかでもいいから知っておきたいと思うようになる時がきっとやってきます。有名な曲と有名な作曲家の名前をいくつかそらんじていればクラシック音楽が分かったことになるかといえばそんなことはありません。もともと私たち日本人にとっては遠い外国の、しかも大昔の音楽です。クラシック音楽とは何なのか、それはいつどこでどのようにして生まれ、どのように変化してきたのか。その歴史的文化的背景などは、意識して学ぶしかありません。

 そこでこの一冊です。「西洋音楽史」、岡田暁生著。新書なのでサイズはコンパクトですが、その中身は著者の岡田氏が大いに語る、歴史物語のような印象を受けるほど読みやすいです。クラシック音楽に興味をお持ちの方はもちろん、社会人の一般教養の一助としても、是非お勧めしたい一冊です。

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西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書) [新書]

西洋音楽史


愛野 由美子(あいの ゆみこ)
大分県別府市に在住し、「クラシックをもっと身近に」をテーマに演奏活動を行う。2006年にはCD「やわらかな時」を発表。2010年および2013年にはiichiko 総合文化センター「音の泉ホール」にて、ソロ・ピアノリサイタルを成功させた。2016年には別府市ビーコンプラザで行われたピアニスト本多昌子との2台ピアノデュオ演奏会が好評を博した。「愛野由美子ピアノ教室」主宰。別府溝部学園短期大学非常勤講師。日本ピアノグレード認定協会(PIARA)コンクール審査員。九州山口ジュニアピアノコンクール審査員。
愛野由美子ピアノ教室
http://www.ctb.ne.jp/~yusato/index.html